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カテゴリ:張り子紙説明 の記事一覧

張り子紙についてパート②

こんにちは、林史恵です。前回の張り子紙についてパートの続きで、今回は張り子紙製作の工程をご紹介いたします。取材を許可して下さった嶋田重夫様と奥様、本当に有難うございます。


古紙や和紙をこなす(撹拌する)

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↑上の丸い入れ物の中で撹拌し、下の四角い入れ物に水分を抜いた状態で出てくる。
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水分を抜いた状態がこちら。繊維の塊です。


②再び水と混ぜる
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↑繊維をきれいな水の入った漉く場所に移し、混ぜる。
 ※この時すくい上げるように混ぜるのがポイントです。

漉く
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↑↓他の多くの和紙が流し漉き(すくっては余分な繊維を捨てながら漉く)なのに対し,嶋田様の張り子紙は留め漉き(すくったものは捨てること無く、枠内でゆすって平らにする。)

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④押す
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↓↑他の和紙と違い分厚いので、先代があみ出した嶋田家独自の機具でよく押す。
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↓紙の厚さの種類によってはこの枠内がひたひたになることもあるため、押す行為はとても重要。
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⑤重ねる
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↑新聞紙を一枚一枚はさみながら重ねていく

⑥乾す
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↑庭先に乾かす。乾いたら完成です。

張り子紙の注文が多く、お忙しいなかでの取材だったのですが、嶋田様はとっても優しくひとつひとつの工程を教えて下さいました。

この家へ行くたび、優しい嶋田家の方々に触れるたび、どこか時間がゆっくり流れているようなホンワカした気持ちになります。嶋田家の方々、本当にありがとうございました。


私のホームページです。のぞいてみてください(ノ´∀`*)
はりこのはやしや ホームページ

張り子紙についてパート①

こんにちは。林史恵です。今日は、はりこのはやしやが使っている張り子紙について、二編に渡り紹介させていただきます。埼玉県小川町に住む張り子紙職人、嶋田重夫様と奥様の許可を得て、記事にさせていただきました。ご協力、本当にありがとうございました。
小川町で江戸時代から農業と和紙漉きを代々受け継いできた嶋田家。昭和30年、先代が張り子紙漉きに転向して以来、この家にしか無い、独自の手法が今日まで伝わって来ました。

張り子紙とは
灰色で厚みのある紙です。古新聞紙を攪拌機で泥状にし、つなぎに楮(こうぞ、小川周辺ではかずと読む)を2~3割混ぜあわせ、漉きます。その後、天日干しをしたら完成です。
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↑築100年以上の島田様宅
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↑玄関を入ると広い土間けん作業場。この手前には、テレビとこたつが置いてあり、奥様が小川張り子を作っています。古紙と水が混ざった匂いがして、その匂いがまたなぜだか落ち着きます。
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↑私はここで張り子紙だけでなく、剥がした張り子を張り合わせる反古紙、下地に使う張り子専用のゴフンとニカワも購入しております。
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↑撹拌前の紙です。左は綺麗な和紙。右は古紙です。
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↑納屋につまれた紙


張り子紙今昔……


現在、だるまは機械による真空成形が多くなりましたが、昔は群馬をはじめ殆どの業者が埼玉県小川町の張り子紙を使っておりました。先代の頃は、町内に嶋田家の他にも2軒あったといいます。
その頃一番忙しかった時期は年の暮れで、生産が追いつかないほどだったそうです。

まだ紙が乾いていない状態なのに、取りに来るだるま業者もいて、同業者が鉢合わせすることもしばしば……
時には嶋田家内で張り子紙をめぐる喧嘩が起こってしまうこともあったそうです。

現在、群馬などの大手だるま業者に卸すことがなくなったため、かつてのような事はなくなったそうですが、今でも、下のような手作りによる伝統を守り続ける地域やお店と、取引を続けています…。

●多摩だるま
●山梨の張り子
●高崎のねこや
●春日部張り子
●佐原張り子
●広島の張り子
●はりこのはやしや\(^o^)/
などなど………

次回は作業工程をお伝えします。お楽しみに!!!
張り子紙についてパート


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