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カテゴリ:郷土玩具 の記事一覧

沖縄張り子の牛について

こんにちは、張り子作家、林史恵です。

5日間続いた首振り牛祭りも最終日です。
今日は、日本最南端の郷土玩具、沖縄張り子の牛について、ご紹介させていただきます。


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こちらは、『牛アーシ』沖縄の農村で盛んだった、闘牛を表した張り子です。

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平成9年の年賀切手にも使用されています。


沖縄の玩具市、イームリン

かつては沖縄には、ユッカヌヒー(4日の日)という、5月4日を前後して、盛大なイームリン(玩具市)が立ちました。那覇市内の孔子廟(びょう)のあたりから大門町をすぎて、元の市役所の近くまで、道路や脇の道まで、戸棚に玩具を並べた露天が並びました。子どもたちにとっては、夢にまで見た楽しい玩具市であったことでしょう。

イームリンにより、様々な人の手に、張り子は渡って行きました。
ウッチリクブサーという沖縄の起き上がりこぼし、チンチン馬グヮーという馬の玩具が、その市の中の目玉商品であったと言われています。


沖縄の諸玩具を復刻させた、古倉保文氏

古倉氏(1905~2000)の製作した玩具は、20種ほどあります。丁寧な作りで、その人柄が伺える作品ばかりです。

ご自信も大変な郷土玩具収集家でしたが、戦災ですべてを焼失してしまいます。戦後、再び収集を始められたといいます。

昭和27年頃までは、久米の大通りで時計屋を開いていました。その志事のかたわら、沖縄の廃絶玩具の復刻に乗り出し、ついに時計屋から郷土玩具製作に転職します。

平成3年には、那覇市指定無形文化財の第一号の指定を受けています。

●参考資料

全国郷土玩具ガイド④ 畑野栄三著

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岩手県、花巻市の金ベコ

こんにちは、張り子作家、林史恵です。
今日は、岩手県、花巻市の金ベコについて、ご紹介いたします。

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写真は古くなったものなのですが、本当は金色が非常に鮮やかな玩具です。黄金牛とも言われています。

昭和36年の年賀切手の図案に、会津若松の張り子と一緒に、花巻の金ベコが取り上げられました。

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南部藩時代は、この地方で砂金が取れたので、牛の背に積んで運ぶ姿を模し、そして牛自体も砂金の色をイメージし、金に塗ったのでしょう。


参考文献
全国郷土玩具ガイド① 畑野栄三著




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今日から5日連続で、首振り牛祭り!!福島県、会津若松市のあかべこ

こんにちは、張り子作家、林史恵です。

突然ですが、今日から五日間、首振り牛祭りを開催いたします!全国各地の首振り牛を、5日間にわたって、ご紹介させていただきます。

ちなみに以前は、15日間連続で、犬張子祭りも開催いたしました。

さて、首振り牛祭り、第一弾は、こちらです。

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福島県、会津若松市のあかべこ

JR東北本線、郡山駅を挟んで、磐越線が東西に走っています。その西側、猪苗代湖を越えたところにある会津若松市には、沢山の郷土玩具が存在します。
その中でも代表的なのが、赤べこですね。

赤べことは、この地方の方言で、牛のことです。千両箱、打ち出の小槌などを背負ったものなど、様々な赤べこがあります。
現在は閉店されているそうですが、“五十嵐民芸店”というお店の赤べこが、伝統的な主砲に従って制作されていることで有名でした。栗城栄(くりきさかえ)氏という方が、制作されていたそうです。

“五十嵐民芸店”の張り子は、”赤もの”とよばれて、赤を基調に彩色されています。
“赤もの”は、疱瘡除けになると言われていたとともに、子育ての縁起物としても用いられました。


東北の玩具の中でも最も古いと言われている、会津若松の張り子


会津若松の張り子は、豊臣秀吉に仕えた、蒲生氏郷(がもううじさと)が、“鶴が城”の城主として、松坂(三重県)からやってきた際、下級武士たちの生活の糧になるようにと、京都から職人を招き、その技術を習得させたことが、始まりだと伝えられています。

参考文献
全国郷土玩具ガイド① 畑野栄三著



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京都の嵯峨面(さがめん)

こんにちは、張り子作家、林史恵です。
今日は、藤原孚石氏が制作されている、京都の嵯峨面(さがめん)について、ご紹介させていただきます。

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郷土玩具の枠を超えています!!味のある、独特な作風ですね。顔の表情が面白いです。

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裏側です。漢書、歴史書を用い、表情をもたせているのですね。

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丁寧な説明書がついておりました。嵯峨面の由来が書いてあります。

以下、内容文です。

△嵯峨面△

三国伝来国宝お釈迦様で知られている、嵯峨釈迦堂清涼寺に、今に伝わる有名な大念仏狂言がある。

弘安二年(後宇多天皇1279年)に、十万上人(勅号円覚上人)が、聖徳太子の霊告にもとづき、大念仏を発願し、法力

がいかに偉大であるかということを滑稽味を加えて行われたのが起源で、毎年3月に、大念仏狂言がとり行われてい

る。


嵯峨面とは、この狂言に用いるものを、原始的な手法をもって別作したもので、和紙を貼り重ねて作り、面種はだ

いたい20種に及び、古来より、この面が、厄除け、魔除けと信じられ、そのほか、福徳、長寿、火の用心、災難

除けに何よりのご利益があると言い伝えられて、古くから嵯峨嵐山の唯一の民芸品になった次第である。


参考ホームページ
竹製品専門店いしかわ竹の店

嵯峨面のページ


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愛知県、名古屋市の郷土玩具、戸部の蛙

こんにちは、張り子作家、林史恵です。今日は、愛知県、名古屋市、呼続(よびつぎ)町の、郷土玩具についてご紹介させていただきます。

それがこちら
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戸部の蛙という名前で有名な、素朴で可愛らしい、蛙の郷土玩具です。
青山かい氏の住んでいる、呼続町のあたりは、昔は愛知県戸部村であったため、旧地名のままで親しまれています。
青山かい氏、その娘の、後継者でもある、角谷静枝氏が制作しておられるそうです。

400年以上前、戸部の郷に新佐衛門という武士がいたそうです。
日頃から、近在の村人に非道なふるまいが多い人物だったといいます。行列の前を横切ったと言っては無礼討ちにするなどの行為が目に余り、手をこまねいた村人達が一計を案じて、新佐衛門の行列の前に蛙を投げました。新佐衛門は、飛び跳ねる蛙にきりきり舞い。その様子を見た村人が、

「山崎超えたら飛べ(戸部)飛べかえる」

と囃し立て暴慢な武士階級への鬱憤を晴らしたといわれています。

この話を元に 瓦職人が手ひねりで戸部の蛙を作ったのが、戸部の蛙の始まりです。


この蛙は、全長が2~4センチくらいあります。

この他にも種類は豊富にあり、雨蛙、殿様蛙、がま蛙などがあります。

また、ポーズも様々あります。四ツに組んで相撲を取る蛙、親ガエルの背にのる子ガエルなど、蛙24種が1セットになって売っているものもあるのだそうです。

昔はすべてが手びねりで、釉薬がかかっていませんでしたが、今では胴体が型抜きで、目や手足が手びねりという制作方法になっているそうです。また、光沢のある釉薬が、全体にかけられています。

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