はりこのはやしやでは、室町時代より伝わる伝統の手法により、ひとつひとつ丁寧に、手作りしております。
張り子とは、室町時代に、明から伝わってきた技法です。
機械の技術が発達し、現在、製作者は減ってきてしまいました。
今日は、はりこのはやしやの犬張子の製作方法について、ご紹介いたします。

こちらは、張り子に使う伝統の張り子紙です。
埼玉県小川町の職人さんが、手漉きにより、一枚一枚、丁寧に制作したものです。
大変分厚く、乾燥した状態だと、硬くて丈夫です。しかし、濡れると柔らかく、扱いやすくなるのが特徴です。

その張り子紙を水に浸して濡らします。

こちらが、今回張り子の原型に使用する、型です。試作品のために制作した、樹脂粘土製です。

先ほど湿らせた張り子紙を写真のような大きさにちぎります。
長いものと短いもの、二種類用意しましょう。

まず、短い方の紙を、写真のように、原型に張り付けます。
湿っているので、水分のみで張り付けることができます。
水分が足りず、張り付けにくい場合は、霧吹きなどで再度湿らせると良いでしょう。
写真のように、大きい面を張り付ける場合は、手のひらを使うのがポイントです。

足の部分は、写真のように、折り込んでいきながら、張ります。

紙がたるんでしまう場合があります。そのような時は、紙を少しちぎりながらはっていきます。

短い方の紙を張れたら、長い方の紙を張りましょう。写真のように紙を配置します。

まずは前足のあたりから張っていきます

次は顔の丸みのあたりです。ここは特に紙がたるみやすいところなので、ちぎりながら、丁寧にはっていきます。
ちぎって張りあわせた紙と紙の重なりあう面積が、多くなってしまう場合、重なりあうどちらかの紙をちぎり取って捨てます。
細かい作業ではありますが、この作業は完成に大きく響く、大切な作業です。

耳の後ろも、ちぎりながら丁寧にはっていきます。

続いて、背中の部分をはっていきます。一枚目に張った紙と、重なりやすい部分なので、写真のようにちぎり取ります。

尻尾に当たる部分を張る時は、尻尾の中心に当たる部分の紙を裂きます。そうすると、写真のようにV字になります。そしてV字に裂けた紙を、尻尾を包むように張っていくと、きれいに張ることができます。

これで、最初に用意した長い紙、短い紙の、二枚の紙を張ることが出来ました。
この地点で、向かって左側から見るとこんな感じ。耳の下、背中から尻尾にかけて、足の、3部分が張れていないことがわかりますね。

向かって右から見るとこんな感じ。顔から耳の裏にかけて、張れていません。

後ろから見るとこんな感じ。両方の耳の裏、背中から尻尾にかけてが張れていません。

下から見るとこんな感じ。四本の足と、腹の部分が張れていません。
これらの張れていない部分を、これから張っていきます。

まずは向かって右側の顔から耳の裏にかけて、張っていきます。張れていない部分の大きさに合わせ、張り子紙をちぎっておきます。

向かって右側の顔から耳の裏にかけての部分に、先ほどちぎっておいた紙を張ります。

向かって左側の、耳の下や、背中から尻尾にかけても、同様にはっていきます。

続いて、下から見て、張れていない部分を張っていきます。

まず、四本の足を張るために、写真のような大きさに、紙をちぎったものを、四枚、用意して行きましょう。

写真のように、四枚の紙を、足に丁寧に張っていきます

四本全て、張れました。最後は腹です。

写真のような、腹に合わせた大きさに、紙をちぎったものを、用意して行きましょう。

全て張り終わったら、次は糊を全体につける作業です。
また次の記事で、紹介させていただこうと思います。
次の記事
犬張子の製作方法パート1
犬張子の製作方法パート2
犬張子の製作方法パート3
犬張子の製作方法パート4
犬張子の製作方法パート5
犬張子に関する歴史はこちらをご覧ください
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