愛知県の、中日ビル内、名古屋・栄中日センターにて行われた、犬張子講座の講師のお仕事の帰り道、同ビル内に見つけたういろう屋さんでものすごい迫力の、虎の首振り張り子を見つけました!!!
許可をいただき、撮影をさせていただきました。
協力してくださった虎屋ういろのお店の方に、心より感謝申し上げます。
それがこちら

迫力満点の素晴らしい張り子ですね。
大きさも凄いです。虎の顔は、人の顔と同じくらい大きくて、全体の大きさも、両手でかかえないと持てないサイズです。

こちらが、その張り子が置いておるお店の看板です。
虎屋ういろは、大正12年に創業、昭和13年にういろ専門店となり、現在に至っています。
伊勢地方では、黒砂糖でつくられたういろが昔からあり、虎屋ういろではそのういろを元に、様々な材料を加え、アレンジし、現在では定番のういろと季節限定のういろをあわせますと、約35種類のういろがあるそうです。
あっさりとした味わいと弾力が幅広い年層のお客様に受けいられてきている、老舗の名店です。
参考 虎屋ういろホームページ

虎張り子の画像に戻ります。
この表情を御覧ください。虎の猛々しさが伝わってきますね。

そしてこの後ろ足!!今にも飛びかかってきそうな、躍動感があります。筋肉質な描写が素晴らしいですね。

後ろから観察するのもまた面白いですね。
敵に向かって猛然と突き進んでいるようにも見えますし、
獲物を狙って抜き足差し足しているような、緊張感ある一場面にも見えます。
いろいろと想像を掻き立てられ、見ていて飽きさせませんね。

前から見るとこんな感じです。
首振りの細工もしっかりほどこされており、こんなに大きく複雑な形をした顔なのに、しっかり揺れます。

虎張り子の隣には、このような説明書きがありました。
奈良県信貴山 朝護孫子寺というところで、売られているのですね。
私は製作者がどなたか気になったので、帰宅後、調べて見ることに致しました。
奈良県の北西部、大阪府と隣接する信貴山は張子の虎で有名です。信貴山歓喜院朝護孫子寺は、寅の日には参詣者が多く、とくに正月の初虎では虎を売る店で賑わうのだそうです。
そして、製作者は、隣の大阪府柏原市の、峯嘉武氏という方だと思われます。
大阪では、神農(しんのう)の虎と呼ばれているそうです。
大阪市の少彦名神社(通称、神農さん)で行われている『神農祭り』でも、写真の虎より小型の虎が授与されているそうです。
神農の虎の歴史
その歴史はかなり古いです。江戸末期に大阪を襲ったコレラに対し、道修街の薬屋から、虎の頭の骨などを配合した、『虎頭殺鬼雄黄丹』という丸薬が出まわりましたがとても足りませんでした。
そこで、張子の虎を少彦名神社に供え、厄除け祈願を込めたものを授与したと言われています。
この虎の効果があったのか、コレラはおさまり、以後、毎年張子の虎の授与が恒例となったそうです。
現在の製作について
参考資料を読む限りだと、どうやら、現在、峯嘉武氏は少彦名神社には授与品を制作しておらず、ういろ店の掲示板に書いてあった通り、奈良県の信貴山 朝護孫子寺へ、多く制作しているようです。
少彦名神社の虎は主に、楠田正夫氏という方が制作しているようです。
楠田氏の虎張り子も、参考資料に載っていたのですが、迫力満点でした。生で見てみたいです!
ちなみに楠田氏は、私の小学校時代の同級生の大おじさまでした。世間は狭いです。
楠田正夫氏については、こちらに詳しく書いておりました。ご紹介させていただきます。
楠田工房 楠田正男さん(85)
ここまで書いた張子の虎に関しては、まだまだ私も調査が足りておりません。
ブログの内容に関するご指摘や、新たな情報がございましたら、何なりとよろしくお願い致します。
参考資料
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私のホームページです。のぞいてみてください(ノ´∀`*)
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