今日は、郷土玩具の会で見つけた、広島県の常石張り子について、ご紹介させていただきます。

常石張り子、寒行法師 宮本峯一作
広島県の沼隈半島の先端、沼隈町で、常石張り子は作られています。
今回紹介させていただきます張り子は、すべて二代目、宮本峯一氏によるもので、現在は三代目、宮本義孝氏が後を次いでいらっしゃいます。

常石張り子、獅子舞 宮本峯一作
張り子の中でもこれほど自由奔放に造形され、彩色されたものも少ないと言われています。
種類は二代目の峯一氏が生み出したものが多く、三代目の義孝氏にも、何種類あるのかわからないそうです。

常石張り子、獅子舞(後ろ) 宮本峯一作
義孝氏が現在作っているのは150種ほどで、比較的大型の人形が多く、高さ30センチの八重垣雛、花魁、立雛などの女性の立ち姿や武者者、また、恵比寿、大黒、天神などの縁起物も人気があるそうです。

常石張り子、獅子舞(底のサイン) 宮本峯一作

常石張り子、相撲 宮本峯一作
常石張り子は、初代の宮本九平氏が明治20年頃から始めました。初期は張り子ではなく、土人形であったといいます。しかし、不便な土地柄で、運搬のたびに破損が出るので、張り子に変えたのだそうです。

常石張り子、相撲(後ろ) 宮本峯一作
広島県のこの土地で、人形製作が行われるようになった要因の一つに、(※)八朔の行事が考えられます。
新粉(米の粉)で人形や馬をつくって飾ったり、男の子には張り子の馬を、女の子には紙人形を節句に飾る風習が、自家製から専門家の手によって委ねられたと言われています。
三代目、宮本義孝氏常石張り子は、平成3年の未年、平成12年の辰年の、年賀切手に採用されました。


(※八朔)旧暦の八月一日のこと。秋の収穫を前にして、豊作を喜び合った行事。田の実(稲の実)や馬節句(収穫や馬の労働に感謝)などといい、新粉で人形や馬をつくって飾ったり、男子には張り子の馬を、女子には張り子の馬を飾る。
参考資料
広島文化大百科
全国郷土玩具ガイド③ 畑野栄三著
私のホームページです。のぞいてみてください(ノ´∀`*)
江戸張り子で有名な、犬張子を製作、販売しております。
はりこのはやしや ホームページ
当店のネットショップです。
はりこのはやしや ネットショップ
ツイッターしています。