今日の郷土玩具の会の例会のテーマは、“鴻巣の練り物が武州竹沢で作られていた!?”です。
今回の発見、埼玉県外の方にはわかりにくいかもしれませんが、“ラピュタは本当にあったんだ!”的なものすごい発見なのです!!!!!!!!
どういうことかというと、埼玉県鴻巣市で作られている有名な鴻巣練り物の金型が、竹沢のある家で発見されたというのです。埼玉県、武州竹沢(現小川町)で、鴻巣練り物が作られていた可能性があるということ??
鴻巣と竹沢は、直線で25キロの距離。一体どういうことなのでしょうか…。
今回は、竹沢まで取材に行かれた、郷土玩具の会の会長、中村浩訳氏が、お話をしてくださいました。

竹沢で発見された、鴻巣練り物の金型を並べてお話する中村氏。

今回の発見で推測できること
●鴻巣で輸出などの大量生産に迫られ、下請けできる地域にばらまいた?
●竹沢地区は古くからおもちゃの砂時計などを作る下請け工場があった。
●当時はカイコや煙草の葉のように、産地に買付人が行き、元請けに運んだシステムがあった。これと同じ要領で、練り物生地づくりを発注したか。(竹沢地区でもこの流通システムは馴染んでいたと思われる)
●竹沢の隣、小川町では、建具が地場産業=練り物に使用するおがくずの入手が容易

こちらは骸骨の金型。輸出用につくられた代表的な製品。昭和20年代半ば~30年代。
同じく輸出用に、ミッキーマウスもある。

右は、鴻巣練り物で有名な猫のびっくり箱。左は竹沢で発見された金型を用い、埼玉県小川町の嶋田重夫氏が張り抜きしたもの。ほぼ同じものであることがわかる。

こちらは見つかったタコの金型から、練り物の技術で成型したもの。胡粉を塗っていないため、練り物の原料であるおがくずがむき出しになっている。これに八本の細い短冊状の紙を下につけるとタコになる。

亀の甲羅の金型。

こちらは中村氏がまとめて下さったプリント。ミッキーマウスや、骸骨。その他不明なものまで。

こちらは比較的かたちを想像できるもの。鴻巣練り物として存在が確認されたものもある。
以上、竹沢で発見された金型から“生地づくりの下職は竹沢で行われていたのか!?”などの色々な推理ができてワクワクしますね。
このような内容を現地まで行って細かく取材し、まとめて下さった中村浩訳氏、金型を用いて実際に復元して下さった嶋田重夫氏。興味深いお話をありがとうございます。
このようなことまで郷土玩具の研究をしてくださる方がいらっしゃるからこそ、郷土玩具の会は成り立つのでしょう。とても勉強になりました。
鴻巣練りものについて書いた過去記事
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