今回は愛知県名古屋市の犬張子についてご紹介いたします。
独特な形。こちらもちょっとつまった感じが可愛らしいですね。
名古屋市の張り子はほとんどが戦前に廃絶しているため、こちらの張り子は戦前の貴重な犬張子です。
張り子の玩具で戦前のものは、ほとんど残っていません。戦火によって失われてしまいました。
廃絶した名古屋の張り子
犬張子をはじめ、角力起き上がり、首振り虎、鉢巻達磨(関西系の目入り達磨、豆絞りの手ぬぐいに鉢巻き)、力士、猩々など数おおくありましたが、それらは全て戦前に廃絶しています。
戦後の復刻は難しかったと思われます。近代化によって失われた、日本の財産の一つといえるでしょう。



この犬張子、実際に見ると、練りもの※かな…と思われるような質をしていました。
張り子の場合、ちょっとひしゃげていたりして、(そこがまた魅力なのですが)やわらかな雰囲気なのですが、
この名古屋の犬張子に限っては、形がしっかり成型されていて、張り子を剥がす際の繋ぎ目も目立たなく、シンプルな中にも品を感じます。
このような高い技術が廃絶してしまったことはとても残念です。
※練りもの おがくずを固め、成型したもの。張り子が雄型であるのに対し、練りものは雌型なので、張り子より練りもののほうが細かくて繊細な成型に向いている。昔は雛人形など、日本人形の頭(かしら)に用いられていた。
犬張子オリンピックはロンドン五輪中毎日開催!お楽しみに
参考資料 加藤文成郷土玩具コレクション(調布市郷土博物館)
全国郷土玩具ガイド 畑野栄三著
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